- ビジネス雑学
- 2026年4月10日
個人事業主が銀行で屋号付き口座を開設する方法|ネット銀行・都市銀行・地方銀行の違いもわかりやすく解説
副業・自営業・フリーランスとして仕事を始めて売上が発生してく……
独立して事業を始めると、会社員時代とは異なる悩みに直面します。
仕事の技術や専門知識があっても、価格設定、集客、資金繰り、将来の事業計画など、経営者として判断しなければならないことは少なくありません。
「経営について相談できる相手がいない」
「売上はあるものの、利益をどのように残せばよいか分からない」
「事業を成長させるために何を学べばよいのか」
「同じ立場の経営者と交流したい」
このような悩みを持つ人が、経営者同士の学びや交流の場を探すなかで目にする団体の一つが「中小企業家同友会」です。
ニュースで「経団連」や「経済同友会」という名称を聞いたことがあっても、中小企業家同友会については知らないという人も多いでしょう。
「商工会議所や商工会とは何が違うのか」
「従業員のいない一人経営者でも入会できるのか」
「仕事を紹介してもらえる団体なのか」
「会費を支払う価値があるのか」
中小企業家同友会は、単なる名刺交換会や営業先を探すための交流会ではありません。経営者同士が経験を共有し、会社や事業の経営について学び合うことを重視する団体です。
筆者も、個人事業主として大阪府中小企業家同友会に在籍していた経験があります。
この記事では、公式情報と筆者の参加経験をもとに、中小企業家同友会の活動内容、費用、メリット・デメリット、向いている人、入会前の注意点を解説します。
一人で事業を営んでいる人が入会する意義についても紹介しますので、経営者として学べる場所や相談できる仲間を探している人は参考にしてください。

中小企業家同友会は、経営者同士が経験を共有し、経営について学び合う団体
地域によっては、一人経営者や個人事業主でも入会できる
仕事の紹介や営業を主な目的とした団体ではない
入会金や会費のほか、懇親会費や交通費が必要になる場合がある
入会条件や活動内容は地域によって異なる
入会前にゲストとして例会へ参加し、支部の雰囲気を確認することが大切
中小企業家同友会とは、中小企業の経営者が集まり、それぞれの経営経験や知識を交流しながら、よりよい会社づくりや経営者としての成長を目指す団体です。
本記事では、以下、中小企業家同友会を「同友会」と表記します。なお、ニュースなどで名前を聞くことがある「経済同友会」とは別の団体です。
中小企業家同友会全国協議会は、各都道府県にある中小企業家同友会によって構成される全国組織です。そしてその中でも地域別にブロックが分かれており、その中でも支部ごとに分かれて組織されて活動を行っています。
所属する支部の決め方は、各都道府県の同友会によって異なります。現在の大阪府中小企業家同友会では、原則として事務所所在地をもとに所属支部が決まり、自宅所在地での所属も可能とされています。
中小企業家同友会には、大きく分けて3つの目的があります。
1つ目は、会員同士が経験や知識を交流し、企業の経営体質を強くすることです。
2つ目は、経営者同士が学び合い、経営者として必要な知識や能力を身につけることです。
3つ目は、ほかの中小企業団体とも協力し、中小企業を取り巻く経営環境をよりよくすることです。
分かりやすく言い換えると、次のようになります。
ここでいう「よい会社」とは、単に売上や利益が大きい会社だけを意味するわけではありません。
顧客から信頼され、そこで働く人を大切にし、地域から必要とされ、長く事業を継続できる会社を目指すという考え方が基本にあります。
起業したてのフリーランスなどの場合は、まだ「会社づくり」や「社員教育」と聞いても、自分には関係がないと感じるかもしれません。
しかし、一人で仕事をしていても、価格設定、集客、資金繰り、取引先との関係、将来の事業計画などについて判断する必要があります。
自分の技術や専門知識だけでなく、今後事業を拡大し、継続するための経営力を身につけるという意味では、一人経営者にも関係のある目的だといえるでしょう。
中小企業家同友会では、都道府県や支部によってさまざまな活動が行われています。
代表的な活動は次のとおりです。
中小企業家同友会の中心的な活動が「例会」です。開催頻度や時間帯、会場は地域や支部によって異なります。
筆者が入会していた支部ではその地域の公共施設の会議室で行っていました。
一般的な例会では、会員である経営者が、自社で経験した成功や失敗、経営課題への取り組みなどを報告します。
筆者が所属していた支部では、会員が順番に報告を担当していました。その後、参加者が少人数のグループに分かれ、報告内容について意見交換を行いました。
ここでの報告の内容は、単なる成功談とは限りません。
例えば、次のようなテーマが扱われます。
ほかの経営者本人から実体験を聞けることが、例会の特徴です。
インターネットやビジネス書でも経営知識は学べますが、成功事例を中心に紹介する情報では、失敗に至った経緯や迷いまで詳しく知ることが難しい場合があります。しかし、実際に地域で事業を続けている経営者の話には、数字だけでは分からない迷いや失敗が含まれています。
例会後のグループ討論では、報告内容を自分の事業に置き換えて考えます。
ただ話を聞くだけではなく、自分の考えを言葉にしたり、ほかの経営者の意見を聞いたりすることで、経営課題を整理していくことが目的です。
中小企業家同友会では、経営理念、経営方針、経営計画などをまとめる取り組みも行われています。
経営理念とは、自社が何のために存在し、顧客や地域にどのような価値を提供するのかを示す基本的な考え方です。
経営理念には、主に次のような役割があります。
経営理念は、会社や事業が今後どこへ向かうのかを示す道しるべといえます。
独立したばかりの一人経営者は、日々の仕事をこなすことが最優先になりやすく、将来の方向性を考える時間を取れないことがあります。
しかし、目の前の依頼や仕事をただ受け続けるだけでは、売上が安定しなかったり、自分が本当に取り組みたい仕事から離れてしまったりする可能性があります。
経営理念や経営計画を考え、記すことによって、次のような項目を整理できます。
一人経営者だからこそ、自分の考えがそのまま事業の方向性になります。
経営理念や計画を作る作業は、将来の判断基準をつくることにもつながります。
経営者は、従業員や取引先には話しにくい悩みを抱えることがあります。
売上が減っていることや資金繰りへの不安、従業員との関係、後継者問題などは、立場上、簡単には相談できない内容です。
中小企業家同友会では、経営者同士がそれぞれの経験を持ち寄り、経営上の悩みや課題について意見交換します。
ただし、同友会は税理士、弁護士、社会保険労務士などによる専門相談を代替する場所ではありません。
ほかの経営者の経験を聞き、意見を交わすことで、自社の課題を整理し、解決のヒントを得られる場といえます。
法律、税務、労務などの個別問題については、士業の会員がいる場合でも、情報交換で済ますのではなく必要に応じて専門家への相談が必要です。
同友会で得られるのは、主に経営者としての経験や考え方、課題を解決するためのヒントだと考えるとよいでしょう。
中小企業家同友会では、社員教育や採用に関する活動も行われています。
全国協議会も、経営指針の確立、共同求人活動、社員教育などを主な取り組みとして紹介しています。(中小企業家同友会全国協議会)
現在は一人で仕事をしている人にとって、社員教育や共同求人はすぐには必要ないかもしれません。
しかし、事業が成長すると、次のような課題が出てきます。
人を雇ってから初めて教育方法や役割分担を考えると、採用後の受け入れや育成が円滑に進まない可能性があります。
一人経営の段階から、採用や組織づくりを経験した経営者の話を聞いておくことは、将来の選択肢を増やすことにつながります。
中小企業家同友会という名称から、従業員を何人も雇っている会社の経営者だけが参加する団体だと思う人もいるでしょう。
実際には、地域によって個人事業主や一人経営者が入会対象に含まれる場合があります。
東京中小企業家同友会では、法人格を持たない個人事業者も対象として案内されています。(東京中小企業家同友会 入会案内)
そのため、建設業の一人親方、フリーランスのクリエイター、個人で店舗を運営している人、士業事務所の代表者なども、地域の条件を満たせば入会できる可能性があります。
筆者も個人事業主で入会しましたし、個人で運営されている士業の方も入会されていました。
ただし、「現在従業員がいない人なら、誰でも同じ条件で入会できる」というわけではありません。例えば大阪府中小企業家同友会では、1人以上の従業員の雇用を目指して事業を経営していることが、会員資格の一つとして示されています。
現在は一人で事業を営んでいても、将来的に人を雇い、事業を成長させたいと考えている人が対象になるということです。入会資格は地域によって異なるため、事前に事務局へ確認しましょう。
入会を検討するときは、次の点を地域の事務局へ確認しましょう。
東京では入会時に会員1名の推薦が必要とされていますが、知り合いの会員がいない場合は事務局への相談が案内されています。(東京中小企業家同友会 入会案内)
福岡県中小企業家同友会では、必要書類や費用を提出した後、支部役員会や理事会の承認を得る手続きが示されています。((一社)福岡県中小企業家同友会 入会案内)
このように、手続きには地域差があります。
「紹介者がいないから入れない」と自己判断せず、まず事務局に問い合わせることが大切です。
筆者が入会した際は、知り合いの会員から紹介を受けて手続きを進めました。ただし、現在の大阪府中小企業家同友会では、知り合いの会員がいない場合でも、事務局を通じて申し込めると案内されています。入会方法は地域や時期によって異なるため、最新の手続きは各同友会の事務局へ確認してください。
身近な経営者に会員がいないか尋ねる方法もありますので、ふだんの付き合いでも聞いてみましょう。
筆者が入会した当時、筆者は大阪市内に居住し、個人事業主を立ち上げてまだ期間が浅く、どうして良いかわからなかったので、居住地本来の臨港支部ではなく紹介者が所属していた中央南支部に所属させていただいていました。
ただし、現在も同じ取り扱いが行われているとは限らないため、所属を希望する支部がある場合は事務局へ確認してください。
中小企業家同友会には、製造業、建設業、運送業、飲食業、小売業、IT関連、士業、介護・福祉など、さまざまな業種の経営者が参加されていました。
従業員を雇用されている企業の経営者の参加が多かったのは事実ですが、従業員を雇っていない一人経営者であっても、地域の入会条件を満たせば参加できる可能性があります。
実際筆者のいた支部でも筆者自身が個人事業主として参加していました。
筆者が所属していた支部には、社長だけでなく、経営上の判断に関わる幹部社員として参加している人もいました。一般社員が参加できるかどうかは、その人の役職や権限、地域の入会基準によって異なります。
ただし、入会資格や手続き、会費は全国一律ではありません。参加を検討するときは、自分の事業所がある都道府県の同友会に確認する必要があります。
中小企業家同友会に入会するメリットは、単に経営者の知り合いが増えることだけではありません。
特に一人で事業を営んでいる人には、次のような利点が考えられます。
一人経営者は、ほとんどの判断を自分で行わなければなりません。
仕事を受けるか断るか、価格をいくらにするか、設備を購入するか、外注を使うか、法人化するかなど、判断する内容は多岐にわたります。
会社員であれば上司や同僚に相談できますが、独立後は近くに相談相手がいなくなることがあります。
家族や友人に話しても、経営者としての悩みを十分に理解してもらえないかもしれません。
中小企業家同友会では、異なる業種であっても、経営者という共通の立場を持つ人と出会えます。
自分だけが抱えていると思っていた悩みが、実は多くの経営者に共通する課題だと分かることもあります。
経営では、自分で経験しなければ分からないことが多くあります。
しかし、すべての失敗を自分で経験していては、時間も資金も足りません。
他の経営者が経験した失敗や改善策を聞くことで、自社で同じ問題が起きる前に備えられる可能性があります。
例えば、次のような経験は一人経営者にも参考になります。
成功した結果だけでなく、そこに至るまでの失敗や迷いを聞けることが、経営者同士で学ぶ大きな利点です。
一人で仕事をしていると、自分の考えや方法が正しいのかを確認する機会が少なくなります。
長年続けている方法であっても、他の経営者から見ると改善できる部分が見つかることがあります。
例えば、売上が増えているにもかかわらず手元にお金が残らない場合、価格設定や原価計算、入金条件に問題があるかもしれません。
忙しいのに利益が少ない場合は、利益率の低い仕事を多く引き受けている可能性があります。
例会や勉強会で自分の経営について話すことにより、問題を整理し、客観的に見直すきっかけを得られます。
他の経営者から異なる視点で意見をもらうことで、自分では当たり前だと思っていた方法を見直したり、気づいていなかった経営課題を発見したりできます。
同業者との交流では、業界特有の情報や技術を学べます。
一方、異業種の経営者との交流では、自分の業界では当たり前だと思っていた方法を見直すきっかけが得られます。
例えば、建設業の経営者がサービス業の顧客対応を参考にしたり、製造業の工程管理を小売業の業務改善に応用したりすることがあります。
例えば、商品の配送一つをとっても、自社便での配送が一般的な業界もあれば、取引先による引き取りが一般的な業界もあります。
異業種の商習慣を知ることで、自社では当たり前だと思っていた受注方法や配送方法、顧客対応を見直すきっかけになり、その見直しが、新たなビジネスのヒントやチャンスになる可能性があります。
また、業種が違っても、集客、価格設定、資金繰り、人材育成、業務効率化など、経営上の課題には共通点があります。
同業者だけでは得られない視点に触れられることは、異業種の経営者が集まる団体の利点です。
現在は一人で十分に仕事をこなせていても、数年後に同じ状況とは限りません。
売上が増えれば、従業員を雇う、外注先を増やす、法人化する、事務所を借りるといった判断が必要になる可能性があります。
中小企業家同友会には、すでに採用や法人化、事業拡大を経験した経営者がいます。
身近な経営者に相談し、実際の経験を聞くことで、次の段階へ進む前に準備できます。
人を雇うつもりがない人にとっても、外注先との関係づくりや、自分が働けなくなった場合の事業継続などを考えるきっかけになるでしょう。
一般的な異業種交流会では、名刺交換や商談など、新しい人脈づくりが中心になる場合があります。
一方、中小企業家同友会は、継続的な学びを通じた関係づくりを重視しています。定期的に例会へ参加し、お互いの考えや経営課題を知ることで、短期的な営業関係とは異なるつながりが生まれる可能性があります。
ただし、入会しただけで会員の経営者と信頼関係ができるわけではありません。
自分から参加し、相手の話を聞き、自社で学びを実践する姿勢が必要です。
独立直後は、従業員を抱える経験豊富な経営者を前に、気後れすることもあるかもしれません。しかし、過度に遠慮せず、自分から交流する姿勢も大切です。

中小企業家同友会にはメリットがある一方、すべての経営者に向いているわけではありません。
入会後に「思っていた団体と違った」とならないように、デメリットや注意点も確認しておきましょう。
中小企業家同友会に入会すると、入会金や月会費が必要です。入会金は一回で済みますが、月会費は毎月かかります。会費の負担をどのように感じるかは、事業の収益状況によって異なります。特に独立直後は売上や入金が安定しないこともあるため、懇親会費や交通費を含めた年間総額を確認し、無理なく継続できるか判断しましょう。
さらに、行事によっては懇親会費、研修参加費、交通費、宿泊費などが発生します。
すべての行事に参加する必要はありませんが、経営課題に応じた研修や行事も開催されています。
一つひとつの金額は大きくなくても、年間で計算すると負担になる場合があります。
会費だけを見るのではなく、参加に必要な費用を含めた年間総額を考える必要があります。
同友会を活用するには、例会や勉強会へ参加する時間が必要です。
一人経営者は、自分が現場を離れると仕事が止まることがあります。
例会が夕方や夜に開催される場合でも、移動時間や準備時間を含めると、数時間を確保しなければなりません。
夜間開催の例会であっても、早めに仕事を上がらないと間に合わない場合もあります。
仕事が忙しい時期には、参加が負担になる可能性があります。
会費を払っていても、ほとんど参加できなければ十分な価値を得にくくなります。
入会前に、例会の曜日、時間、開催場所、オンライン参加の有無などを確認しましょう。
同友会に入会したからといって、自動的に売上が増えたり、経営が安定したりするわけではありません。
同友会は仕事を振り合う互助会ではありません。あくまでも自社をよりよくするための勉強会と捉えてください。
例会でよい話を聞いても、自社で実践しなければ状況は変わりません。
例えば、利益を把握する必要性を学んだなら、実際に原価や経費を計算する必要があります。
経営計画の重要性を理解したなら、自分の事業計画を作る必要があります。
同友会は、経営改善の答えを一方的に教えてもらう場所というより、経営者が自ら考え、実践するためのきっかけを得る場所です。
受け身のままでは、会費に見合う成果を感じにくいでしょう。
中小企業家同友会は全国にありますが、実際の活動は都道府県や地域の支部を中心に行われます。
そのため、支部によって次のような違いがあります。
ある地域では活発に経営課題を議論していても、別の地域では交流行事が多いことがあります。
全国的な理念だけで判断せず、実際に所属する可能性がある支部の雰囲気を確認することが重要です。
中小企業家同友会に入れば、会員から仕事を紹介してもらえると期待する人もいるかもしれません。
会員同士の交流を通じて、結果的に取引や協業につながることはあります。しかし、同友会は仕事の紹介を主な目的とする団体ではなく、取引が保証されているわけでもありません。
入会直後から営業や売り込みを優先すると、信頼関係を築きにくくなる可能性があります。短期間で顧客を獲得することが目的なら、商談会や営業を目的とした交流会のほうが適している場合があります。
活動を続けるなかで、例会の運営や委員会、役員などへの参加を依頼される場合があります。また、グループ討論の内容を参加者の前で発表する機会もあります。
筆者も初回の参加時に発表を担当しました。人前で話す経験は経営者として役立つ一方、発表に慣れていない人には心理的な負担になることもあるでしょう。
人前に立つのが苦手な経営者などには心理的に負担になるでしょうし、一人経営者にとっては例会等への参加は時間的な負担になり得ます。
また、継続的な交流を重視する団体のため、人付き合いや集団活動が苦手な人は疲れを感じるかもしれません。
全国協議会は、入会や退会は本人の自由意思であり、活動への参加を強制したり、不参加によるペナルティを設けたりするものではないと説明しています。(中小企業家同友会全国協議会 入会案内)
それでも、実際の活動への関わり方は地域や本人の状況によって異なります。
入会前に、紹介者を通じて、例会にゲストとして参加することも可能です。それよりも前に会員の経営者としっかり話をしてみましょう。
中小企業家同友会の入会金や会費は、全国一律ではありません。
各都道府県の同友会によって金額や支払い方法が異なります。
公式サイトで確認できる例として、

※2026年8月に各地域の公式サイトで確認した情報です。入会金、会費、支払い方法、入会条件は変更される可能性があります。入会前に各都道府県の公式サイトまたは事務局で最新情報をご確認ください。
同友会活動では、入会金と会費以外にも次のような費用がかかる場合があります。
すべての行事に参加する必要があるわけではありませんが、交流や学びを増やそうとすると追加費用が発生します。
入会前には、入会金と月会費だけでなく、年間にどの程度の費用を見込んでおけばよいかを事務局や既存会員に確認するとよいでしょう。
事業上必要な団体会費については、経費として扱える可能性があります。
ただし、実際の税務上の取り扱いは、加入目的、活動内容、支出の性質、事業との関係などによって判断されます。
懇親会費や飲食費についても、すべてが自動的に経費になるとは限りません。
会費を経費として処理できるか判断に迷う場合は、税理士や所轄の税務署などに確認してください。
特に独立直後は、経費にできるかどうかだけで判断せず、会費を継続して支払える収益状況かどうかも確認しておきましょう。
具体的な入会手続きは地域によって異なりますが、一般的には次のような流れになります。
同友会に参加している経営者の知り合いがいたら、まず話を聞いてみる方法があります。誰もいないのであれば、自分の事業所がある都道府県の中小企業家同友会を探します。
同じ都道府県内に複数の支部があり、事業所の所在地などによって所属支部が決まる場合がありますので、問い合わせをしたときに確認しておきましょう。
大阪府中小企業家同友会では、原則として事務所の所在地によって所属支部が決まると案内されています(大阪同友会)が、大阪府中小企業家同友会では、原則として事務所所在地をもとに所属支部が決まると案内されています。筆者が入会した当時は紹介者と同じ支部に所属しましたが、現在の取り扱いについては事務局へ確認してください。
会員の知り合いがいれば、そこから聞いてもらえますが、そうでない場合は、事務局へ問い合わせ、公式サイトの問い合わせフォームや電話から、入会を検討していることを伝えます。
その際、自身の事業内容を簡単に説明します。起業したてで、会社設立がまだでしたら、個人事業主であること、従業員がいないこと、開業時期などを伝え、入会資格を確認しましょう。
可能であれば、入会前に例会などに参加してみましょう。地域によっては、ゲスト参加やオリエンテーションを受け付けています。
例えば京都中小企業家同友会では、公式サイトで例会へのゲスト参加を案内しています。(京都中小企業家同友会)
入会前に実際の活動へ参加することで、次の点を確認できます。
説明だけを聞いて決めるよりも、実際の例会を見たうえで判断したほうが、入会後のずれを防ぎやすくなります。
筆者が参加していた支部では、従業員を抱える企業の経営者だけでなく、一人で事業を営んでいる会員もいました。
入会を決めたら、所定の申込書に必要事項を記入します。
地域によっては、会員からの推薦や役員会での承認が必要ですが、例会にゲストとして参加すると、入会について案内を受けることがあります。
ただし、推薦や役員会の承認など、正式な手続きは地域によって異なります。
入会金と会費を支払います。
会費の支払い方法は、口座振替や数か月分の前納など、地域によって異なります。初回に必要な金額と支払い時期を申し込み時に事務局へ確認しましょう。
中小企業家同友会は、地域や支部によって活動内容や雰囲気が異なります。
入会を決める前に、最低限、次の項目を確認しましょう。
事業承継によって経営者となった人や、従業員数十人規模の会社経営者ばかりの支部では、一人経営者が自分との違いを感じる可能性があります。事業規模や経営歴が異なれば、抱えている課題や優先順位にも違いがあります。もちろん、規模の大きな会社から学べることもたくさんあります。ただし、同じように独立したばかりの人や、一人経営から事業を成長させた会員がいると、身近な課題について相談しやすくなります。
例会が平日の夜に多いのか、昼間にも開催されるのかを確認します。
自分の仕事の時間帯と合わなければ、入会しても参加できません。同友会の場合は、参加頻度が低いと十分に活用しにくくなります。
年間予定が分かる場合は、繁忙期と重ならないかも確認しましょう。
入会金、月会費、懇親会費、交通費などを合計し、年間でいくらになるかを考えます。
仮に月会費が7,000円なら、会費だけで年間8万4,000円です。
これに入会金や懇親会費などが加わります。
その金額を支払っても参加を継続できるか、どのような学びを得たいのかを整理しましょう。
自分と近い業種の会員がいるかだけでなく、異業種から学べる環境があるかも確認します。
また、青年部などには年齢条件が設けられている場合があるため、対象となるか事務局へ確認してください。
入会後、委員会や例会運営への参加をどの程度求められるのか確認します。
参加自体は自主的であっても、活発な支部では行事が多い可能性があります。
仕事や家庭との両立を考え、自分が無理なく関われる範囲を決めておきましょう。
退会の申し出期限、会費の返金の有無、前納した会費の扱いなども確認しておくと安心です。
入会時には加入方法だけに目が向きやすいですが、合わなかった場合の手続きも確認しておくことが大切です。
中小企業家同友会は、次のような人に向いていると考えられます。
特に、職人や専門職としての技術には自信があるものの、経営について学んだ経験が少ない人には、経営を考えるきっかけになる可能性があります。
技術力だけで事業を継続・成長させることは簡単ではありません。集客、価格設定、資金管理、採用など、経営者として向き合うべき課題について学ぶ必要があります。
一方で、次のような人は、期待する内容と同友会の活動が合わない可能性があります。
同友会が向いているかどうかは、会社の規模だけでは決まりません。
自分が何を目的に入会するのか、その目的と活動内容が合っているかが重要です。
経営者が加入する団体には、中小企業家同友会のほかにも、商工会議所、商工会、青年会議所などがあります。
名称が似ているため混同されやすいのですが、目的や活動には違いがあります。
商工会議所や商工会は、地域の事業者を対象に、経営相談、融資、補助金、税務、創業などの支援を行っています。
公的な経営支援や制度の情報を得たい場合は、商工会議所や商工会が役立つことがあります。
一方、中小企業家同友会は、経営者同士の経験交流や学び合いを重視しています。
経営相談や制度活用を中心に考えるなら商工会議所や商工会、経営者としての考え方や会社づくりを学びたいなら同友会というように、目的に応じて使い分けるとよいでしょう。
青年会議所は、地域社会の発展やまちづくり、社会貢献活動などに取り組む団体です。
一般的に年齢条件が設けられており、地域活動やリーダーシップ育成などを重視しています。
中小企業家同友会は、年齢よりも経営者としての学びや会社づくりが活動の中心です。
それぞれの入会条件を満たしていれば、複数の団体に所属することは可能です。
ただし、会費だけでなく、参加する時間も必要になります。
所属する団体を増やしすぎると、どの活動にも十分に参加できなくなる可能性があります。
まずは自分の目的を明確にし、必要な団体を選びましょう。
中小企業家同友会へ入会するだけでは、十分なメリットを得られない可能性があります。
一人経営者が活用するためには、次のような姿勢が大切です。
例会へ参加するときは、現在の経営課題を一つ決めておきましょう。
例えば、次のような課題です。
課題を意識して参加すると、報告内容や他の経営者の意見から、必要な情報を見つけやすくなります。
現在の会社規模が違っても、過去に一人で創業した経営者はいます。
その人が、どのように顧客を増やし、外注や採用を行い、事業を成長させたのかを聞くことで、自分の将来像を考えられます。
「今、自分と同じ規模の人」だけでなく、「以前、自分と同じ段階にいた人」を探すことがポイントです。
例会で多くの話を聞いても、すべてを一度に実行することはできません。
参加後は、一つだけ行動を決めましょう。
例えば、次のような小さな行動です。
学んだことを実践し、次の例会で結果を振り返ることで、同友会を経営改善に生かしやすくなります。
会員同士の交流から仕事につながることはありますが、最初から売り込みばかりを行うのは避けたほうがよいでしょう。
まずは相手の話を聞き、自分の仕事や考え方を知ってもらい、信頼関係をつくることが大切です。
仕事の紹介を求めるのではなく、経営者として学ぶ姿勢を持つことが、結果的に長期的な関係につながります。
個人事業主を入会対象としている地域があります。
ただし、入会資格は各都道府県の同友会によって異なるため、所属を希望する地域の事務局へ確認してください。
一人経営者でも入会できる可能性があります。
従業員数だけで判断せず、事業形態や経営上の立場などを含めて事務局に確認しましょう。
開業年数について全国一律の条件が示されているわけではありません。
開業直後の人が参加できるかは、地域の事務局へ問い合わせてください。
地域によっては推薦者が必要ですが、知り合いがいない場合に事務局への相談を案内している同友会もあります。
紹介者がいないことだけを理由に諦めず、問い合わせてみましょう。
地域によっては、ゲスト参加やオリエンテーションが用意されています。
入会前に実際の活動へ参加し、雰囲気や内容を確認することをおすすめします。
全国協議会は、活動への参加は自主的であり、不参加によるペナルティはないと案内しています。(中小企業家同友会全国協議会 入会案内)
ただし、入会しても参加しなければ学びや交流の機会は少なくなります。
無理のない範囲で継続的に参加できるかを考えましょう。
仕事の紹介を目的とした団体ではなく、紹介が保証されているわけでもありません。
交流を続けた結果として取引につながる可能性はありますが、入会目的を営業だけに絞ると、活動内容とのずれが生じることがあります。
それぞれの入会条件を満たしていれば、両方に所属することは可能です。
ただし、会費や参加時間を考え、各団体をどのように活用するかを整理しておきましょう。
中小企業家同友会は、中小企業の経営者が経験や知識を持ち寄り、経営について学び合う団体です。
活動の中心となる例会では、経営者の実体験を聞き、参加者同士で意見交換を行います。
個人事業主や従業員のいない一人経営者でも、地域の入会条件を満たせば参加できる可能性があります。
一人経営者にとっては、経営について相談できる仲間ができること、他の経営者の成功や失敗から学べること、自分の事業を客観的に見直せることなどがメリットです。
一方で、入会金や会費がかかり、活動へ参加する時間も必要です。
入会しただけで経営が改善したり、仕事を紹介してもらえたりするわけではありません。
また、同じ中小企業家同友会でも、地域や支部によって参加者の業種、年齢、活動内容、雰囲気が異なります。
入会を検討するときは、次の点を確認しましょう。
中小企業家同友会が自分に合うかどうかは、会社の規模だけでは判断できません。
重要なのは、経営について継続的に学びたいと思っているか、ほかの経営者の経験を素直に聞けるか、学んだことを自分の事業で実践できるかです。
入会を迷っている場合は、最初から加入を決める必要はありません。
まずは地域の中小企業家同友会へ問い合わせ、例会やオリエンテーションにゲストとして参加してみましょう。
実際の参加者や活動の雰囲気を確認したうえで、会費と時間を使う価値があるか、自分の経営に役立てられそうかを判断することが大切です。
会社員から自営業者へ、 パソコンを使った仕事だけでなく体を使った仕事も行っており、見たり聞いたりしたことや、今まででぶつかってきた壁などの経験をもとに、副業・フリーランスや転職などのキャリア選択の助けになる情報発信しています。